二男「
保護者同伴が原則です。会場は大きなホールで、生徒一人一人が校長先生からの祝福の握手を受けるために壇上に上がります。なんとそれに保護者が付き添って壇上に上がるのです。
ステージの床には、赤・黒の×印が何ヶ所も付けてあり、ここで校長先生に一礼、ここで担任の先生に一礼、ここで来賓に一礼、ここで・・・と行くわけです。
保護者が壇上に付き添うのは、「保護者が子供を学校に委託するという形を取るため」だそうです。
この儀式には、学校の教育理念があってのことだそうです。式が終わった後、食堂で親・子・先生一堂に会して食事会です。校長先生のお話、先生方の紹介があり、いよいよ食事です。残念なことに、「いただきます」の号令がありません。私が見える範囲の先生方で「いただきます」と言って食べ始められた先生は一人もおられませんでした。「ごちそうさま」は? と期待していましたが、やはりありませんでした。
「礼に始まり、礼に終わる」が大切ですと説明され、一礼する場所を示した×印。「人間形成が大切です」と話された校長先生の教育理念。五時間以上にわたる式でしたが、果たして中身を伴っていたのでしょうか。
私たちの日常生活の(仏教儀式も含めての)中でも形式的に行われていることが多いことに気づかされました。形式も大切ですが、その形式は本来中身が大切だったはずです。儀式だけではありません、人と人との付き合い、自然と自分との付き合い、宗教と自分との関係。本来的な意味を考え、生きさせていただかねば、いつか矛盾とひずみが生じてくるはずです。
多くのことを学ばせていただいた入学式でした。
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