わが家の三男・(はじめ)が熱を出しました。この季節は暑さも日増しに強くなる上、幼稚園では運動会、お泊り保育、その上プールと小さな体には頑張らねばならない季節のようです。小さな子供が熱を出すと、いきなり高熱になることが多いようで、日ごろうるさいほど元気にさせていただいているので、目を覚ましていてもぐったりしている様子を見ると、なんともかわいそうな気がします。

そんな(はじめ)をみていますと、ふと四苦(しく)生苦・病苦・老苦・死苦())の内の病苦とは何かということに思いが行きました。病苦とはいったいどんな苦しみなのでしょうか。

@    病気によって実際に起こる痛みや体の不調・不快感

A    死に向かっているのではないかと思う恐怖感

B    他人対する気持ち

(面倒を見てくれない・迷惑をかけているというような気持ちなど)

C    病気になることで他人が感じる困惑や時間の消費

 仏教の教えは人間の「苦しみを取り除く」のではなく、「苦しみを乗り越えていける智慧を受ける」との教えです。この病苦を乗り越えていける力を与えられるというのです。だから病気を治すことや、実際にある痛みを取り去る事などを仏に祈っても仕方の無いことで、それは不確かな科学(医学)にゆだねるしかないでしょう。病苦を得ることにより、「いかに生きていくか」、「いかに死んでいくか」、「共に生かされている生命の大切さ」を知らされます。このことにより病苦を含む人間の苦しみ(四苦・八苦)を乗り越えていけるのです。

このようなことを(はじめ)の横で考えさせていただいていると

「そうだ、ドクターボンズに書かせていただこう」

と思わずつぶやいていました。

「お父さんはいつも(はじめ)に教えられて、(はじめ)のことばかり書いているなあ。大きくなったらお父さんの書いたドクターボンズ読んでな」

紅潮した小さな頬に手をやると、これまた小さな手を重ねてきて、訳もわからないまま

「うん」

と小さくうなずいていました


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ドクターボンズのひかり ≪7月≫