先日初雪が降りました。近くの山は、まだ紅葉が美しく見えますが、遠くの山は雪景色で真っ白になっていました。十二月になったとたん急に寒くなったような気がします。それと同時にあと一ヶ月でお正月と思うと、何とはなしに気が焦るような感じがします。正月までに絶対これをやらねばならない、ということもないのですが、やはり気になるものです。
 歯科医院のほうでも、この時期少々(あわ)ただしくなります。何故かといいますと、
「年内に取り外しの入れ歯を作ってしまいたい」
などという、「年内治療終了希望」が出てくるからです。
入れ歯を作るにはだいたい一ヶ月、治療回数でいうと平均五回はかかります。すると十二月に入ってから作り始めると、年内には無理ということになります。しかしそこのところを・・・何とか・・・となるとアポイントとアポイントの間を詰めたりなんやりで、ばたばたするわけです。

お釈迦様は私たちの世界を「諸行無常」であるとお示しくださり、
蓮如上人は人生の定めないありさまを「まぼろしのごとくなる一期なり」
と御文章に書き示して下さっています。
 このようなみ教えを聞かせていただいているにもかかわらず、なかなか今この時が二度と無いなんだ、まぼろしのごとく過ぎ行くなんだと思えず、漫然とを過ごしているような気がします。
もうあと一ヶ月と言われて初めてじたばたし始める私達の生き様です。
そしてよくよく考えてみればそのじたばたしている事は、それほどじたばたするほどのことでもないことがよくあるのではないでしょうか。

毎日の日暮の中で、ふと立ち止まり、浄土真宗のみ教えを味あわせて
頂く事のできる身であることを、感謝する季節です。

ドクターボンズのひかり ≪12月≫

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