「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものです。異常気象が続き起こりながらも、この地球はまだ日本に四季の移ろいを見せてくれる余力程度は残しているようです。
田んぼの様子を見ていますと、すでに
「実るほど
刈り入れの時まで、幾度となく稲が私に教えてくれる言葉です。
蓮如上人は御文章に書いてくださっています。
「
たとい一文不知の尼入道なりというとも、後世を知るを
(はかり知れないほどの知識を持っていようとも、自分の生き方、そして死に往く様を知らないものは愚かな者である。たとえ数の数え方を知らなくても、真実の生き方、死に方を知っているものを智者と呼ぶのだ)
人間としてこの人間界に生を受け、いったいどのようにして生きてゆけばよいのか、なかなか私たちの知恵で答えを出すのは難しく思います。この難しい問題に対して、蓮如上人は一筋の指針を与えてくださっています。
人は社会の中で暮らしています。その社会の中で価値というものを作っていきます。しかしその価値は人が持つべき本当の価値とは限りません。
仏様の声に耳を傾けてみましょう。自分の本当の姿が見えてきます。そして自分の持っている価値が本当に正しいかが見えてきます。
稲穂は自分の価値を知っているのかもしれません。自分の存在が、多くの人の生を支えていることを。だから頭を垂れているのではないでしょうか。
Copyright(c) 2007 Dr. bonze All Rights Resrved